ラルゴ神楽坂で講師をしている双極性障害2型の鈴木です。
休息、治療(お薬、通院)が必要だと思います。
うつ病は本当につらい病気だと思います。十分な休息と病状理解がないと再発しやすい病気だと思います。
足を骨折したらどうしますか?
病院に行き、手術して骨をくっつけて入院です。痛め止め、足が治るまで大きな石膏ボードでぐるぐる巻きです。
移動には車いすか松葉杖が必要です。一度痛い目を見たら、また同じところを骨折した!とはあまり聞きません。気を付けます。
身体のケガは見た目から本人や周囲も理解しやすいです。
ところが、脳の中で起きている精神疾患は外から一切わかりません。周りからも本人も何が起きているのか理解できない状況です。
しかも再発リスクが高い病気です。
脳の休息や、車いす、松葉づえなどの助け必要なはずですが、
- さぼっているの?
- やる気がないの?
と冷たい声が聞こえたりします。恐らく、自分で自分を責め、周りの方もそう思っていると本人の認知が偏ってしまっているように思えます。
自分もそうでした。
(認知のゆがみを戻すには一苦労です。専門家と一緒に認知行動療法を行った方いいと思います。)
うつ病を発病した自分に何が起きているのか本人もよくわかっていません。ただただ辛いだけです。それでも我慢して仕事に行き続けてしまいます。ストレスフルな生活を我慢してしまいがちです。
病気かな?とは薄々感じますが症状の重さがわからないのです。一時的か、長期的なのか。
病気に対する知識がないので周りに説明もできないし、言葉で上手く伝えられないのです。通院が遅れる原因だと思います。
私は2年ほどかかり通院でき、半年ほど休職しました。急いで職場に戻りましたが、焦りで一杯です。
焦らず、しっかりとした休息と病気の理解がないと再発リスクが高くなると思います。残念ながら私は、休職を繰り返す数年間、そして退職になってしまいました。
今、振り替えてみると最も大切なことは、あせらず休息して本人が「病気」に向きあえるまで、病気を理解できるまで休む(社会復帰を待つ)ことだと思います。
せっかく社会復帰してもすぐに再発して休んでは辛いだけです。
人は受け入れがたい現実に対して否認から入るようです。自分は病気じゃない、ちょっと体調が悪いだけ。すぐ治る。正常だ。
私は薬もまともに飲みませんでした。病気を受け入れるまでには大きな葛藤があります。
精神疾患の難しいところは、病気である現実を受容するまでに時間がかかることだと思います。
否認期間が長い(葛藤期間が長い、恐らく数年単位)分、休息期間も長引きます。
私の場合は、否認が7年ほど続きその後3年半働くことができませんでした。
病院のリワークプログラムや認知行動療法などを受けて、自分でも色々と病状を勉強してみました。
うつ病の原因を考えると
- 職場や生活環境、環境の急激な変化からくる強いストレス(長期間)
- 大きな病気(例えば、心疾患や癌などになって強いストレス、不安を感じ続ける)
- 脳内の物質 セロトニン(気分の安定・睡眠・食欲などを調整)やノルアドレナリン(意欲・集中力調整)不足
- 遺伝などの先天的な要因
- 脳血流の低下(光トポグラフィーを試験的に受けたら血流が全く上らなかった)
色々な原因が入り組んでいるようです。(※本人の自己観察です。)
女性の方は出産やホルモンバランスの崩れなどの要因もあるようです。
うつ病の治療方法は主治医と相談しながら薬物療法(お薬)と休息(ストレスなどから遠ざかる)をとるが大切だと思います。
時間がかかります。焦りは禁物です。
安定してきたら「うつ病」とはどんな病気だろうか?と自分で調べると良いと思います。
病院のリワークプログラムや就労移行支援事業所でも病状を学べると思います。
安心して休息できる環境も大切です。助けが必要なので親族や周りの方に助けてもらいましょう。
参考
治療法を一緒に選ぶための手引きうつ病の特徴を知って自分にあった治療法を一緒に選びましょう うつ病学会
私は、「休息」、「栄養のある食事」、「睡眠」、「お薬」、「認知行動療法」、「病気の理解(自己理解)」が大切だと思います。
あと「笑う」ことです。これらが続けば再発リスクを低く抑えることができると思います。
「笑う」ことが難しい方は、「笑顔」を作ってみてください。私は「笑顔」で毎日ドトールコーヒーを頼む練習から始めました。
こちらが笑顔だと、あちらも笑顔で返してくれますよ。ちょっとうれしいです。こちらが真顔だとあちらも真顔です。なるほどと思いました。
最近の研究では鉄(フェリチン)は神経伝達物質の材料になることから、うつ病と深い関わりがあるようです。女性は特に足りていないようです。
身体に栄養が足りていないのに薬だけ飲んでも、薬の効き目が弱いのは理解しやすいです。
うつ病を持っていると季節の変わり目、自然変化に体調や気分が大きく影響され易いと思います。
夏から秋に代わるこの季節はうつ症状がでやすく、とても苦手です。
季節の変わり目、みなさまご自愛くださいませ。
参考
うつ病患者の4人に1人、受診までに「1年以上」 周囲の理解が回復につながることも明らかに 日本イーライリリー
健康ビッグデータから『女性のメンタル不調』に『鉄分不足』が関係していることを確認 大正製薬
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